9日、長崎は被爆77年の「原爆の日」を迎えます。ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用をちらつかせるなかで営まれる平和祈念式典や関連の催しなど、祈りの日を迎える長崎の動きを詳報します。
■■■8月8日■■■
10:10
爆心地公園訪れた親子「まだわかならなくても…」
長崎市松山町の爆心地公園に、長崎県長与町の山道一平さん(43)が訪れた。「『戦争が怖い』だけではなく、平和って何だろうって考えるきっかけになれば」と、初めて小学6年の娘ら3人を連れ、浦上天主堂遺壁などを見て回った。
山道さんは長崎育ち。大人になって県外の人と接すると、8月9日という日付があまり意識されていないことに気づいた。娘たちには、長崎で生まれ育ったからには、この日が近づくにつれて平和や戦争について考えてほしいと思っている。
9日は娘たちの学校があるため、前日に訪れたという。山道さんは「小さい子どもたちはまだわからないだろうけど、気づける年齢になったら気づいてほしい」と話す。
09:30
「長崎から平和の思い届ける」リハーサル始まる
9日の平和祈念式典を前に、長崎市松山町の平和公園で式典リハーサルが始まった。遺族代表や被爆者代表らが参加。式典の全体の流れや立ち位置を確認した。
会場には大小のテントを設置。熱中症を防ぐため、霧状の水を噴出するミストシャワーも設けた。田上富久市長はリハーサル前、参加者らに「ロシアによるウクライナ侵攻のさなかで行われるとても大事なタイミングでの式典。みなさんと一緒に長崎から世界に平和の思いを届けていきたい」と呼びかけた。
08:30
77年前の苦しみに水を…採水始まる
9日の長崎原爆の日に開かれる平和祈念式典では、水を求めながら亡くなった被爆者を慰霊するため、祭壇に水を捧げる「献水」がある。前日の8日、長崎市の平和公園にある「平和の泉」など県内5カ所で、献水に使う水をくむ行事があった。
平和の泉には、いずれも市立の坂本小学校6年の森天摩(てんま)さん(12)、山里中学校3年の登立愛来(のぼりたてあいき)さん(14)、長崎商業高校2年の森岡凜(りん)さん(16)が参加。3人は追悼の思いを胸に、ひしゃくで水をくみ取った。森岡さんは「被爆者たちも高齢化している。若い自分たちで平和の思いを未来につなげたい」と前を見据えた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル